上遠野浩平『夜明けのブギーポップ』|ブギーポップと霧間凪の過去編

2018年12月03日執筆

 

前の巻『ブギーポップ・オーバードライブ 歪曲王』の紹介記事

 

こんにちは、尾崎すぐるです。

ぼくは、毎年、冬になると半纏を着ているのですが、今年も寒くなってきたので、半纏を装備してブログを書いています。

半纏ってホントに暖かいんですよ、オススメです。

 

さて、今日紹介するのは、上遠野浩平『夜明けのブギーポップ』(電撃文庫、1999年)です。

 

1.あらすじ

この巻は、ブギーポップが、前の巻の「ムーンテンプル事件」でゾーラギが暴れていた「歪み」の世界で、『ブギーポップは笑わない』で登場したエコーズの影と出会い、「ブギーポップ」という名前の由来を尋ねられるところから始まります。

物語は、霧間凪が現在のような「正義の味方」へと至る過去編の中で、ブギーポップの誕生や、凪の父・霧間誠一とイマジネーター・水乃星透子(みなほし・すいこ)の交錯が描かれるという内容です。

それと、「イマジネーター事件」の後で谷口正樹と織機綺(おりはた・あや)がどうなったのかについても書かれています。

……「あらすじ」というよりも「概要」になってしまいましたね。

 

2.感想

霧間凪の過去編の中で、彼女は何人もの登場人物に命がけで守られているんですよね。

そういえば、物語の端緒となるエコーズも、自分がピンチになることも省みず、凪に生命エネルギーを分け与えて命を救ってましたね。

それが、彼女の人間的魅力によるものなのか、それとも、いずれ世界を守る「正義の味方」となる者を救うことが凪を救った彼らの使命だったのか、あるいは、ある種の超人だったと思われる霧間誠一の加護なのかはわかりません。

ただ、霧間凪というキャラクターが他者の能動的犠牲の上に生きているということが描かれたことで、彼女が「正義の味方」として危険に飛び込んでいくことにある種の運命性というか、必然性というか、そんな何かが付与され、今までどこか中二病的で意味不明だった霧間凪というキャラクターの厚みが増したように思います。

そうですね、物語内でのポジションにふさわしい重みづけがされたことで、ようやく本当の意味で主要登場人物になった気がしました。

 

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