上遠野浩平『ブギーポップ・ダークリー 化け猫とめまいのスキャット』|「変わらない」ことの難しさ

2018年12月24日執筆

 

前の巻『ブギーポップ・クエスチョン 沈黙ピラミッド』の紹介記事

 

こんにちは、尾崎すぐるです。

今日は、クリスマスイブですね。

ぼくも、クリスマスケーキぐらいは食べる予定ですよ!

ジングルベール、ジングルベール。

 

さて、それでは、上遠野浩平『ブギーポップ・ダークリー  化け猫とめまいのスキャット』(電撃文庫、2009年)を紹介していきます。

 

1.あらすじ

なかなかの腕を持つ統和機構の合成人間、セロニアス・モンキーが消息を絶った。

残された言葉は、「スキャッター・ブレイン」。

リセットからの依頼で、セロニアス・モンキーが調査していた音梨町に、フォルテッシモが向かうことに。

フォルテッシモが到着した音梨町では、奇妙な現象が起きていて……。

一方で、音梨町の中学校の写真部の面々は、ブギーポップを探そうと、カメラを持って町をうろつきます。

手掛かりは、部員の輪堂進が見たという、変な格好をした、不思議な模様の猫です。

転校生で新入部員の無子規憐(むしき・れん)は、ブギーポップに異様な執着を見せるのですが……。

 

2.感想

なんというか、つかみどころがないような、フワッとした雰囲気のお話でした。

「あらすじ」では、そんな感じを出してみたつもりです。

社会の中で生きる限り、「自由」になることも、「変わらない」でいることも難しいわけなので、それらを選ぶなら、社会から切り離されるしかないのでしょう。

ブギーポップは、それを「逃避」と表現していました。

まあ、確かにそのとおりで、可能な限りの「自由」を得ようとしたり、「変わらない」で安穏としていようとすれば、結局はひきこもっているしかないということになります。

物理的にひきこもるかどうかはともかく、自分の殻に逃げ込んでしまうわけですね。

ただ、そんな「逃避」がいつまでも続けられるかというと、作中の出来事のように、社会、あるいは世界からの絶え間ない干渉によって、捕まる時がやってきてしまう。

現実の社会でも、「自由」に生きるとか、「変わらない」ことを選ぶためには、金銭的、能力的に、かなりの力量を要求されるものなあと、そんなことを考えさせられました。

 

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