夏海公司『ガーリー・エアフォース Ⅹ』|パクファが小松基地にやってきた!意外と問題児!?

2019年02月21日執筆。

前の巻『ガーリー・エアフォースⅨ』のあらすじと感想

こんにちは、尾崎すぐるです。

今回は、夏海公司『ガーリー・エアフォース  Ⅹ』(電撃文庫、2019年)の紹介をします。

この本は、確か今年の1月に発売されたと思いますが、Kindle版が同時発売ではなかったので、ぼくは読んでなかったんですよね。

ふと思い出して確認してみたらKIndle版が出ていて読んだので、約1か月半遅れで新刊を紹介するよということです。

 

1.あらすじ

前の巻でのザイの新戦術に対処する作戦が成功したということで、祝勝会が開かれ、慧とグリペンも自衛隊の正装で参加します。

そこで、ジュラーブリクから頼まれたのは、パクファの救出作戦で使用したファントムの「パラレル・マインズ」のスライスがパクファのEGGに絡まってしまって、パクファが調整のために小松基地に行くから守ってやってくれということでした。

パクファを連れて無事に帰還した面々ですが、さっそくパクファが行方不明になってしまいます。

どうやら、EPCMを応用して色覚をだます「クロマチック・ステルス」は、アニマだけでも使えてしまうようで、見えないパクファをSNSなどで探すのですが、どうやらベルクトと慧たちが外出したコースをたどっていたようです。

そして、グリペンと思い出の場所にデートに出かけた慧ですが、その途中で、グリペンが不正なアクセスを受けたと思ったら、八代通からパクファが無差別クラックを行ったと連絡が来ます。

モンゴルで回収したF-15DJ-ANMの残骸の置いてある第6格納庫に逃げ込んで立てこもっているパクファと慧は話をするのですが、その会話の中で、衝撃の真実が明らかになり……。

2.感想

(1)パクファのキャラクター

この巻の最後には、おまけの短編としてパクファが基地の厨房を手伝おうとするお話が付いているのですが、それを読むと、「お前、そんなキャラなの!?」とパクファのキャラクターに驚くと思います。

戦闘シーンやアニマの外見からは、あんまり予想できないキャラクターでした。

(2)ファントムの扱いが悪い気が……。

この巻の最後でもファントムは慧にあることを伝える役目を担うのですが、ファントムだって慧に淡い恋心を抱いていたはずですから、損な役回りだなあと思いました。

そもそも、この巻でスライスがパクファのEGGと絡まってしまってファントムが不調なのも、アニマにとって人格であるEGGを分割して運用する「パラレル・マインズ」などという無茶な装備を使用させた結果なわけです。

部隊で最も有能であるがゆえに、最も重い負担を背負うことになっているファントムになんかご褒美があればいいなあと思いました。

(3)これ、どうやったらハッピーエンドになるの?

1つ課題を乗り越えるたびに新しい困難にぶつかる慧とグリペンですが、どうにもバッドエンド、あるいはビターエンドが避けられない気がしてきました。

そもそも、「グリペンとの未来ルート」実現の壁は、今回発覚した問題だけではないんですよね。

ザイがいなくなってグリペンを残せても、その後の世界でオーパーツになってしまうグリペンが廃棄されたり封印されることを防いで、グリペンの維持費を賄わなければなりません。

1つ考えられるのは、「幻のドラえもんエンド」と同じパターンで、まだ年若く、かなり頭も良さそうな慧が、将来、物理学者になって叡子理論を完成させ、1000年前に飛ばされた球殻のように、あるいは宇宙で眠っているベルクトのように休眠(というか凍結?)させておいたグリペンを目覚めさせるエンドかなあと思うんですけどね。

存在の力?とでもいうべき叡子のエネルギーを少しずつ現行のエネルギーと並行して運用すれば、グリペンを救えて、人類文明の寿命も延びて、慧もグリペンを維持できる権威やお金を手に入れて、一石三鳥かなと。

そういえば、物語時間の慧がいる世界には、知寄蒔絵も、八代通もいますし、慧の父親も科学者だった気がするんですよね。

研究資金の元手は、民間人の慧が高度かつ危険な任務に従事していたことに対する協力費が八代通から後払いされる?

うーん、ちょっとご都合主義過ぎますね、これは。

まあ、素人が変な予想などしないで、きっと、「そんな解決法があったのか!!」と我々読者が驚くであろう物語の続きを楽しみにしておくのがいいのでしょうね。

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