『ありふれた職業で世界最強 1』の感想|クラスごと異世界転生したけれど、無能扱いされる

今回は、白米良『ありふれた職業で世界最強  1』(オーバーラップ文庫、2015年)のあらすじと感想を書いていく。

 

1.あらすじ

筋金入りのオタクで、学校ではイジメを受けていた南雲ハジメは、ある日突然、クラスまるごと異世界に召喚されてしまう。

そして、ファンタジーな異世界「トータス」で権威のあるらしい「聖教教会」の教皇イシュタルから、ハジメたちが唯一神エヒトによって召喚されたこと、人間族は魔人族との戦争を控えており、人間族のためにハジメたちに戦ってもらいたいことを説明される。

その後、召喚されたハジメたちには特別な力があるはずだということで、「ハイリヒ王国」にて神代のアーティファクトである「ステータスプレート」で自分たちの能力を確認したのだけれども、クラスの人気者な天之河光輝の勇者など各人がすぐれた才能を秘める中、ハジメだけが「錬成師」という現地人にもよくいる職業で、クラスメイトから無能扱いされることに。

それから2週間ほど、王宮での訓練を受けたハジメたちは、指導役の王国騎士団長メルドに率いられ、異世界トータスの七大迷宮の1つ「オルクス大迷宮」で、魔物相手に実戦訓練をすることになった。

オルクス大迷宮に潜る前日、滞在した宿場町の「ホルアド」で、日本にいたころからいつもハジメを気遣ってくれていた優しい美少女、白崎香織が深夜にハジメの部屋を訪ねてくる。

ハジメは、お世辞にも強いとは言えないハジメがオルクス大迷宮に進むことを不安に思い、心配になって訪ねて来てくれたらしい「治癒師」である香織と、「守ってもらう」約束を交わす。

次の日、オルクス大迷宮での実戦訓練は順調に進んでいたのだが、目標だった20階層で、ハジメをいじめていた檜山が迂闊にもトラップを発動させてしまい……。

 

2.感想

(1)厨二設定盛りだくさん

このラノベは、いわゆる「なろう系」の1つなのだけれど、ここまでやるかというぐらいに厨二設定のオンパレードとなっている。

異世界転移、なぜか優しくしてくれる美少女、可視化されたステータス、最弱主人公、大迷宮、隻腕化、闇落ちからの覚醒……と、どこまでやるんだという感じ。

ただ、きちんと商業作品としてまとめてあるので、読んでいて楽しめる厨二作品だと思った。

でも、正直、こういうの憧れるよね?

厨二妄想に心を弾ませたことのある人なら、きっと楽しめると思う。

(2)気になったところ

かなり楽しんで読むことができた一方で、いくつか気になった点を挙げておく。

ア.ハジメの言葉遣い

ベヒモス戦で光輝に話しかけているときのハジメの言葉遣いが完全に女言葉になってしまっている。

いくらオタクだろうといじめられっ子だろうと、普通に男言葉で話すのではないかと思う。

あれではナヨナヨを通り越してオネエではないかな?。

イ.「技能:天歩」のよくわからなさ

物語の世界、トータスにおける「技能」は、基本となる技能になんらかの効果があって、派生技能が付くと、効果が追加されるという仕組みになっている。

ところが、ハジメが蹴りウサギから得た技能の「天歩」は、派生技能である「+縮地」で高速移動、「+空力」で空中走行ができるようになるようだが、「天歩」という技能の基本性能については何も書かれていない。

単なるミスだろうと思うが、使用頻度の多い技能で、ハジメにとって生命線になった割には設定が荒いなあと思った。

ウ.「技能:魔力操作」が強すぎるような気が……

この魔力操作なる技能を持っていると、魔法陣なしで直接魔力を操作することができ、さらに、各種魔法適性を持っていれば、無詠唱で各属性魔法を使うこともでき魔法陣なしで直接魔力を操作することができる。

正直、他の人間どころか、魔人族でさえ呪文を詠唱し、魔法陣を通さなければ、魔法を行使できないことを考えると、いくら何でも強すぎるように思う。

ハジメに関しては、そもそも属性魔法の適性を持っていないわけなので、無詠唱で錬成できるようになれば充分で、別に魔法陣を使って錬成してもよかったのではないかなぁ。

などと考え、ちょっとバランスブレイカー過ぎるこの技能が気になってしまった。

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