あずみきし『死役所 8』|イシ間さんは成仏しました。

今回は、あずみきし『死役所  8』(バンチコミックス、2017年)の紹介をします。

 

1.あらすじ

この巻の収録作品は、

・不妊に悩む女性の話「母①・②」

・風俗店で殺された男性の話「愛を買う」

・両親に愛されようと懸命だった男の子の話「理想の家族」

・イシ間さんの成仏話「お気を付けて」

でした。

 

2.感想

この巻は、イシ間さんの成仏がメインであったこともあって、他のお話はそれほどインパクトのあるものではなかったですね。

(1)キモいおじさんを再生産してしまう?

強いて言えば、「愛を買う」がキモくて冴えないおじさんのキモさをしっかり描いていたかなと。

ただ、このようなマンガの表現も、この「愛を買う」というお話で登場した男性のような、他者からの冷淡な評価にさらされる中で壊れてしまったのだろうと思われる人を量産することに一役買っているのだろうなと思うと、「いいね!おっさんのキモい感じが上手く表現されてる!!」とは評価しづらいんですよね……。

あと、このお話は、殺した側も大概なヤツっぽいので、なんだかなぁ、と思いました。

(2)「母①・②」と「理想の家族」の対比

「母①・②」で登場する女性は、子どもには恵まれていませんが、一方で、配偶者とは上手くいっているというか、支えあえる関係なんですよね。

一方で、「理想の家族」では、両親のことを想う息子はいるのですが、その両親は、仕事のために家庭は蔑ろになってしまっていて、夫婦仲もすこぶる悪いです。

おそらく、同じ巻に収録されているので、どうしても対比的に見えてしまい、別に夫婦仲が悪いから子どもが必要なわけでも、夫婦仲がいいから子どもが不要なわけでもないだろうと思ってしまいました。

「かすがい」を必要としている人が子どもを授かるように読めてしまうので、この2つの話は、同じ巻に入れない方が良かったと思いますね。

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