『Dr.STONE 7』の感想|発電所を手に入れ、携帯電話完成までまっしぐら!!と思ったら……

今回は、原作:稲垣理一郎、作画:Boichi『Dr.STONE  7』(ジャンプコミックス、2018年)のあらすじと感想。

 

1.あらすじ

水力発電所を手に入れた千空たちは、その大きな力を他のことにも利用できる態勢を整える。

ところが、電球も作り、あとは真空管を作れば携帯電話の完成というところで、竹では真空管のフィラメントにはなれないことが判明。

そこで、偶然にも手に入ることが分かった丈夫な金属タングステンを真空管製作に使おうと、千空とクロムは、力自慢のマグマと一緒にタングステンの採掘に出発。

つい最近まで村長の座を巡って敵対していたマグマとの冒険を、クロムは不安に思っていたのですが、実際に危険に遭遇してしまい……。

千空とクロムは、生きて村に帰れるのか!?

 

2.感想

(1)多様性の価値を知っていた千空

マグマとの緊張を孕んだ冒険の途中で、危険に遭遇した千空がマグマに語った内容は、多様性の大切さ。

知識の差で賢者ポジションに納まっている千空だけれども、目的を見失うことなく、立場に驕ることなく科学の道を歩んでいる。

こういう学問に傾倒した人間というのは、少年~青年期において、多くの場合、頭の良さが人間の価値とイコールであると勘違いしがちだと思うけど、千空は、そういったところの無い、ジャンプコミックの主人公らしい好青年のようだ。

そういえば、大樹や杠という全くタイプの違う2人と、千空は何年も友達をやってきたようだから、その経験も多様性の重要さに気付くことにつながったのかも?

(2)年齢の壁を超えた友情

この巻の途中で、カセキじいさんが、いままでモノづくり仲間がいなくて孤独だったことを語り、千空とクロムを羨ましく思うと言ってみると、千空やクロムは年齢差なんか気にしてなかったという心温まる?エピソードが登場する。

実際、年齢の差というのは、あらゆる場面で壁になるものだと思うので、おそらく、千空が村にやってこなければ、カセキじいさんとクロムも親しくならなかったのではないかと思う。

千空がやってきたことで、科学という新しいものに、クロムは材料の提供、カセキじいさんは細かい手仕事で貢献し、モノづくり仲間になることができた。

そんなことを考えると、『Dr.STONE』は、孤独に手工芸の腕を磨きながら長生きしたカセキじいさんが、科学によってモノづくりの楽しさを共有できる友人を得るという、奇跡の物語を描いているようにも読めてきた。

もしかすると、この巻までそのことに思い至らなかったことを恥じるべきかもしれないけれども。

(3)ゲンの気配り

元々はメンタリストだったという設定のキャラクターだけあって、ゲンは非常に気配りのできるキャラクターとして描かれている。

今回も千空や村のみんなに気を利かせている。

そういえば、この7巻にたどり着くまでに、ゲンはピンチの場面で身体を張って村を救ってきた。

こういうヘラヘラしながらも気配りをしつつ身を切ることを厭わないキャラクターのことが好きなのは、たぶんぼくだけではないと思うので、良く練られたキャラクターだなぁと思いながら読んでいる。

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