体力低下は本当にスマホのせいなのか?

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2019年12月24日投稿

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子どもの体力が落ちているらしい

昨日に続きスマホの話題。

たまたま家の新聞で記事を見つけたので自分の意見を書いてみる。

今日の朝日新聞1面に、スポーツ庁の全国体力調査(平成31年/令和元年)の結果で、子どもの体力が低下していること、その原因がスマホなどの使用時間(スクリーンタイム)の増加にあると推測されていることが載っている。

これを読んで思ったのは、単なる相関関係を因果関係であるとミスリードさせるいつものメディアや役所のやり方かなということだ。

ぼくは体力低下の主たる原因はスマホやゲームではないと思うので、今日はその話。

遊んでよい場所の減少

ぼくは、体力低下の原因の1つは、公園などの子どもが遊べる場所の減少、特にボールを使って遊べる場所の減少だろうと思っている。

子どもたちが遊んでよいとされる場所が、心無い大人たちの一方的な言い分で奪われてきたことは、だれでも知っていることだ。

体力が低下したのも、スマホ使用時間が増えたのも、ともに子どもが外遊びをしてよい場所が減ってしまった結果で、一方がもう一方の原因というわけではないはずだ。

上記新聞の1面記事のグラフを見ても(スポーツ庁のWebサイトを見ると、元データの公表はまだのようだ)、小5男子の50メートル走の記録は2008年と大差がないのに対し、ソフトボール投げの記録は2008年をピークにほぼ一貫して下がり続けている。

おそらく、日常的に使う脚力と違い、肩の力というのは意図的に肩を使わないと鍛えられないがゆえに、日ごろの外遊びでボールを投げなくなった結果がモロに出てしまったのだろう。

ここ最近の異常な気候

また、ここ数年というか、十数年というか、日本は6月から9月ぐらいまで異常な気温に晒されている。

秋になったら秋になったで、非常に強力な台風が頻繁にやってくる。

台風に襲われる地域も、従来とは違ってきている。

外を歩いているだけで熱中症で命を落とす危険がある国で、子どもが外で遊ぶことはできないし、親も外で遊ばせようとはしないだろう。

台風が来れば、外に出ないのは当たり前だ。

少なくとも1年の3分の1が外遊びをするべきでない時期なのだから、外で運動をすることが習慣にならず、むしろ、ゲームをしたり動画を観たりといった家の中でできることにのめり込んでいくに違いない。

ただ、繰り返しになるが、家の中での遊びが外で運動する時間を減少させているという因果関係にはなく、むしろ、その逆だろう。

外で遊べないから、家の中で遊ぶのだ。

スクリーンタイムの増加というけれど

そもそも、スクリーンタイムが本当に増加しているのかということが疑問だ。

上記新聞の1面に載せてある棒グラフでも、スクリーンタイムが5時間以上の子どもは約1割でしかないし、この棒グラフは、過去の子どもたちのスクリーンタイムと比較しているわけでもない。

ちなみに、記事中にスクリーンタイムが5時間以上の小5男子が「2年連続で増加」と書いているが、スポーツ庁の平成30年度全国体力調査結果によると、29年度の質問は「学校から帰ったあと」のスクリーンタイムに限定していたらしく、朝テレビを観ていたとか、そういう時間は含まれていない。

些細なことのようだが、朝15分~1時間程度のテレビ視聴時間が調査結果に反映されていなのだから、平成30年度以降と単純比較するのはおかしいだろう。

今の子どものスクリーンタイムのボリュームゾーンは、「1時間以上2時間未満」と「2時間以上3時間未満」だそうだが、今の大人が子どもだった頃も、夜の映画2時間とゲーム数時間、さらに朝や夕方のテレビ番組を観ていれば1時間で、4~5時間以上のスクリーンタイムを過ごしていたはずだ。

そして、それはほぼ毎日のことだった記憶がある。

ぼくは塾などにも通っていたし、友達と公園などで遊んでもいたが、それでも、そんな感じだった。

むしろ、今の子どもたちの方がスクリーンタイムは短いのではないかとさえ、ぼくは思う。

いいかげん、新しいテクノロジーに抵抗するのはやめた方がいい

行政やメディアは、プログラミング教育だの情報リテラシーだのと言いながら、一方では、子どもの遊べる場所や期間が減って子どもたちの体力が低下したのを家庭や、子どもたち本人や、新しいテクノロジーの成果物のせいにするのをいいかげんにやめればいいのにと思う。

要するに、自分たちの思い通りに行かないのを人のせいにしているだけだ。

もっと言えば、自分たちが「正規ルート」と考える以外の方法で情報を得られるインターネットが気に入らない連中が言っているだけだろう。

ここ最近、スマホ依存症だのゲーム依存症だのというしょうもない病名を精神科医たちが作ったのを報道したりもしているが、そんなのはごく一部の例外だ。

酒を飲む人はたくさんいるが、アルコール依存症になる人はごく一部なのと同じで、何にでも依存する人間はいるものだ。

もはや、スマホやインターネットの無い世界に戻ることはできないのだし、今の子どもたちは、それらの活用能力を生涯に渡って問われ続けるのだから、スクリーンタイムなどという言葉を使ってスマホ使用時間をどうこう言ってもしょうがない。

むしろ、子どもたちにはスマホを使いまくって有効活用の方法を見つけてほしいと思う。