池上正樹『ルポ ひきこもり未満 レールから外れた人たち』の紹介

2018年11月14日執筆

 

ブログ運営に役立ったり、自分の成長につながる本を読むべきだと、わかっているつもりでした。

でも、興味のある本に手が出てしまったということです。

まあ、ひきこもりっぽい生活をしていると、「他のひきこもりやひきこもり脱出者ってどうしてんの?」なんて、思ってしまうものなんですよ。

厳密に「ひきこもり」について書かれた本ではないんですけどね。

まあ、現状改善のための情報収集と、自分に言い訳しておりますwww。

 

 

1.基本情報

タイトル:ルポ  ひきこもり未満  レールから外れた人たち/著者:池上正樹/出版社:集英社/レーベル:集英社新書/出版年:2018年/値段:929円

 

2.概要

ひきこもりだった人や、ひきこもりよりも状況の悪い人たちの現状について書いている本です。

別にひきこもり問題を論じているとかではなく、当事者たちのありのままを淡々と描いています。

ただ、各エピソードを通じて、荒れ果てた社会が見えてきます。

 

3.良かったところ

(1)非正規という蟻地獄が浮き彫りに

この本に出てくる中で状況が悪い人ほど、非正規の職を転々としているんですよね。

ただ、これは、この本に限らず、困窮している人のエピソードでは、一般的かもしれません。

読んでいて思うのは、自分で期間を区切るでもなく、「派遣に流れる」みたいなのは、本当にやばいということです。

一度非正規スパイラルに嵌まってしまうと、蟻地獄のように抜け出せなくなってしまうという問題が良く分かる内容になっています。

(2)当事者たちのありのままを書いている

社会問題を扱う本では、「~すべき」という主張がなされるものだと思います。

しかし、この本では、ルポに徹しているのか、それとも、社会への諦めなのかは分かりませんが、少なくとも著者の「~すべき」論は出てきません。

著者の意見を押し出さず、ありのままの困窮している当事者たちを描写することによって、むしろ社会の抱える問題が良く見えると思いました。

そして、その問題が、もうどうにもならないところまで来てしまったのだとも感じました。

(3)弱者が這い上がることの難しさ

また、(1)で蟻地獄と書きましたが、この本に出てくる人たちには、一度立場が悪くなってからは、どうやっても這い上がれなかった人もいます。

ぼくも、「この現状を何とかしなければ」と思って、ブログを始めたのですが、状況が悪い人や、プラスアルファの収入が欲しい人が群がるからか、どうにも供給過剰状態で、すぐには上手くいきません。

再チャレンジの難しさを日々実感しています。

 

4.イマイチだったところ

そうなった事情は読者にはわかりませんが、エピソード内の構成も、文章自体も、読みにくい部分と読みやすい部分があります。

読みやすいと感じる序章や9章、10章に対して、本の前半に出てくる当事者のエピソードは、どうにも読みにくい・わかりにくいと感じました。

 

5.おわりに

実際、「ひきこもり」で悩めるならまだマシな方なんですよね。

底辺と言われつつも、「ひきこもり」は「底」ではない。

ぞっとする話ではありますが、楽観的なぼくは、多少危機感を持つぐらいでよいのだろうなと思いました。